用語・基礎の解説
一般住宅の負荷容量を実際に計算|ブレーカー容量・幹線まで計算例で解説
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今回は、延床面積100㎡の一般的な戸建住宅を仮定して、設置する電気機器から負荷容量を計算してみます。
さらに需要率や電動機の効率を考慮して想定負荷を求め、最終的に負荷電流、主幹ブレーカー、幹線まで計算します。
今回は次の条件とします。

1.今回の住宅で使用する電気機器を設定する
まず、今回の住宅で使用する電気機器・設備を設定します。

※需要率は今回の計算例として設定した仮定値です。
※この記事で使用する消費電力、定格出力、効率、需要率、力率、許容電流などは、計算例を示すために設定した仮定値です。
2.各機器の負荷容量と想定負荷を計算する
それでは、設定した機器から実際に計算していきます。
一般負荷・加熱負荷については、
想定負荷 = 消費電力 × 数量 × 需要率
で計算します。
電動機負荷については、
想定負荷 = 定格出力 ÷ 効率 × 台数 × 需要率
で計算します。
LED照明
30W × 20個 = 600W
需要率80%なので、
600W × 0.8 = 480W
想定負荷は480Wです。
コンセント
100W × 20個 = 2,000W
需要率60%なので、
2,000W × 0.6 = 1,200W
想定負荷は1,200Wです。
冷蔵庫
300W × 1台 × 1.0 = 300W
想定負荷は300Wです。
電子レンジ
1,500W × 1台 × 1.0 = 1,500W
想定負荷は1,500Wです。
炊飯器
1,200W × 1台 × 1.0 = 1,200W
想定負荷は1,200Wです。
IH調理器
3,000W × 1台 × 1.0 = 3,000W
想定負荷は3,000Wです。
ルームエアコン
1,000W × 3台 = 3,000W
需要率70%なので、
3,000W × 0.7 = 2,100W
想定負荷は2,100Wです。
電気温水器
4,000W × 1台 × 1.0 = 4,000W
想定負荷は4,000Wです。
洗濯機
500W × 1台 × 1.0 = 500W
想定負荷は500Wです。
換気扇
20W × 4台 = 80W
想定負荷は80Wです。
3.住宅全体の負荷容量と想定負荷を計算する
ここまで計算した結果をまとめると、次のようになります。

需要率を適用する前の電源側の負荷容量は、
16,180W(16.18kW)
となりました。
需要率を考慮した想定負荷は、
480+1,200+300+1,500+1,200+3,000+2,100+4,000+500+80
=14,360W
したがって、今回の住宅の想定負荷は、
14,360W(14.36kW)
です。

4.想定負荷14,360Wから負荷電流を計算する
次に、想定負荷14,360Wから負荷電流を計算します。
今回の電源方式は、
単相3線式100/200V
です。
今回は計算例を簡単にするため、100V負荷がL1側とL2側に均等に振り分けられているものとし、全体の力率は1.0と仮定します。
この条件で、
I = W ÷(200 × 力率)
として計算します。
14,360 ÷(200 × 1.0)
=71.8A
したがって、今回の仮定条件における負荷電流は、
71.8A
となります。
実際の単相3線式では、100V負荷のL1・L2への振り分けによって各線の電流が変わるため、実設計では負荷バランスも確認する必要があります。
5.今回の計算では主幹ブレーカーは75Aとする
今回求めた負荷電流は、
71.8A
です。
そこで今回の計算例では、主幹ブレーカーを、
75A
とします。
この記事ではブレーカー容量の詳しい選定方法ではなく、今回設定した住宅条件から計算するとどのような結果になるかを中心に見ているため、ブレーカー選定条件の詳細については割愛します。
6.今回の幹線はCVT 14mm²とする
次に、今回の主幹ブレーカー75Aに対して使用する幹線を確認します。
今回は計算例として、設定した施工条件におけるCVT 14mm²の許容電流を、
80A
と仮定します。
今回の計算値を並べると、
負荷電流:71.8A
主幹ブレーカー:75A
CVT 14mm²の許容電流:80A
となります。
したがって、
71.8A ≦ 75A ≦ 80A
となるため、今回の計算例では、
CVT 14mm²
を幹線として使用します。
なお、CVTの実際の許容電流は施工方法、周囲温度、収容状態などによって異なります。実際の設計では、使用するケーブルのメーカー資料や適用する許容電流表を確認する必要があります。
7.CVT 14mm²の電圧降下を確認する
今回の幹線条件は、
CVT 14mm²
幹線長15m
負荷電流71.8A
です。
この条件で電圧降下を確認し、設計上の許容範囲に収まっているかを確認します。
電圧降下に問題がなければ、今回の計算ではCVT 14mm²を採用します。
電圧降下が大きい場合には、CVT 22mm²など、より太いケーブルを検討します。
ここも今回は「電圧降下の計算方法」を詳しく説明する記事ではないため、最終的な確認項目として電圧降下があることだけ押さえておけば十分です。
8.今回の住宅の計算結果
今回設定した一般住宅について計算した結果をまとめます。

という計算結果になりました。
まとめ|今回の住宅では想定負荷14,360W、負荷電流71.8Aとなった
今回は延床面積100㎡の一般的な戸建住宅を仮定し、実際に電気機器を設定して負荷容量を計算しました。
一般負荷や加熱負荷については消費電力から計算し、換気扇については電動機の定格出力100Wを効率80%で入力電力へ換算しています。
その結果、需要率を適用する前の電源側の合計負荷容量は、
16,180W
需要率を考慮した想定負荷は、
14,360W
となりました。
さらに今回の仮定条件で計算すると、
負荷電流71.8A、主幹ブレーカー75A、幹線CVT 14mm²
という結果になります。
つまり、今回の記事の計算結果をまとめると、
16,180W → 14,360W → 71.8A → 75A → CVT 14mm²
です。
ただし、今回使用した機器の消費電力、定格出力、効率、需要率、力率、CVTの許容電流などは、計算例を示すための仮定値です。
実際の住宅では使用する設備が異なるため、同じ結果になるわけではありません。また、実際の設計では単相3線式のL1・L2負荷バランス、ケーブルの施工条件による許容電流、電圧降下、保護協調、適用する規程やメーカー資料などを確認する必要があります。