用語・基礎の解説
集合住宅の幹線容量を実際に計算|需要率・ブレーカー・幹線まで計算例で解説
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今回は、12戸の一般的な集合住宅を仮定して、各住戸の負荷容量から建物の幹線を計算してみます。
各住戸の負荷容量についてはすでに計算済みとして、住戸数と需要率から集合住宅全体の負荷容量を求め、最終的に幹線用ブレーカー、幹線ケーブルまで計算します。
今回は次の条件とします。

※各住戸の負荷容量40Aは、すでに計算済みの値として扱います。
※共用部負荷容量20Aは、今回の計算例として設定した仮定値です。
1.各住戸の負荷容量を確認する
今回の集合住宅は12戸とします。
各住戸の負荷容量についてはすでに計算済みとして、1住戸あたり40Aとします。
この記事では、各住戸の負荷容量をどのように計算するかについては扱わず、ここから集合住宅全体の幹線を計算していきます。
2.12戸分の負荷容量を合計する
まず、需要率を考慮する前の負荷容量を計算します。
1住戸あたり40Aなので12戸分の負荷容量の合計は
40A × 12戸 = 480A
となります。
ただし、集合住宅ではすべての住戸が同時に最大負荷で電気を使用するとは限りません。
そこで、住戸数に応じた幹線需要率を考慮します。
3.需要率を考慮して住戸部分の負荷容量を計算する

今回の12戸の一般集合住宅では、幹線需要率を、
64%
として計算します。
したがって、
480A × 0.64 = 307.2A
となります。
需要率を考慮した住戸部分の負荷容量は、
307.2A
です。
4.共用部の負荷容量を加える

集合住宅には、各住戸以外にも共用部の電気負荷があります。
今回は、共用廊下や階段の照明などをまとめて、
20A
と仮定します。
住戸部分の負荷容量は307.2Aなので、
307.2A + 20A = 327.2A
となります。
したがって、今回の集合住宅における幹線の負荷容量は、
327.2A
です。
実際の設計では、共用照明やその他の共用設備について、それぞれの負荷を確認して計算する必要があります。
5.今回の計算では幹線用ブレーカーを350Aとする
今回求めた幹線の負荷容量は、
327.2A
です。
そこで今回の計算例では、幹線用ブレーカーを、
350A
とします。
この記事ではブレーカー容量の詳しい選定方法ではなく、今回設定した集合住宅の条件から計算するとどのような結果になるかを中心に見ているため、ブレーカー選定条件の詳細については割愛します。
6.幹線用ブレーカー350Aに対して幹線を選定する
次に、今回の幹線用ブレーカー350Aに対して使用する幹線を確認します。
幹線は、CVTを使用します。
負荷容量・ブレーカー・許容電流の関係を確認する
選定するCVTについては、
負荷容量327.2A ≤ 幹線用ブレーカー350A ≤ CVTの許容電流
となるサイズを選定します。
なお、CVTの実際の許容電流は、施工方法、周囲温度、収容状態などによって異なります。
実際の設計では、使用するケーブルのメーカー資料や適用する許容電流表を確認して幹線サイズを決定します。
7.幹線の電圧降下を確認する
今回の幹線条件は、
負荷容量327.2A
幹線長30m
幹線ケーブルCVT
です。
選定したCVTについて電圧降下を確認し、設計上の許容範囲に収まっているかを確認します。
電圧降下が大きい場合には、より太いケーブルを検討します。
8.今回の集合住宅の計算結果
今回設定した12戸の一般集合住宅について計算した結果をまとめます。

まとめ|今回の集合住宅では幹線負荷容量327.2Aとなった
今回は12戸の一般的な集合住宅を仮定して、すでに計算済みの各住戸の負荷容量から集合住宅の幹線を計算しました。
1住戸あたりの負荷容量を40Aとすると、12戸分では、
480A
となります。
ここに12戸の幹線需要率64%を適用すると、
307.2A
となります。
さらに共用部負荷容量20Aを加えると、今回の幹線負荷容量は、
327.2A
です。
したがって今回の計算例では、
40A × 12戸 → 480A → 需要率64% → 307.2A → 共用部20A → 327.2A → 幹線用ブレーカー350A → CVT選定
という流れになります。
ただし、今回使用した各住戸の負荷容量、共用部負荷容量などは、計算例を示すために設定した条件です。
実際の集合住宅では、住戸面積や設備、共用設備などによって負荷条件が異なります。また、実際の設計では単相3線式のL1・L2負荷バランス、ケーブルの施工条件による許容電流、電圧降下、保護協調、適用する規程やメーカー資料などを確認する必要があります。
