用語・基礎の解説

IV・VVF・CVの施工方法の違い|布設条件と許容電流を解説

最終更新: 2026-10-13

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電気工事で使用する電線・ケーブルには、IV、VVF、VVR、CV、CVTなどさまざまな種類があります。

これらは構造や用途が違うだけでなく、施工方法にも違いがあります。

例えばIVはシースを持たない絶縁電線なので、電線管・線ぴ・ダクトなどに収めて施工する方法が代表的です。

一方、VVFやVVRなどのVV系はシースを持つケーブルなので、IV系とは施工方法の考え方が異なります。

さらにCVやCVTなどのCV系では、気中・暗きょ・電線管内・直埋・管路など、布設条件によって許容電流の考え方が変わります。

この記事では、電線・ケーブルを大きく「IV系」「VV系」「CV系」に分け、それぞれの代表的な施工方法と許容電流との関係を解説します。

施工方法別に許容電流量を調べる

IV系・VV系・CV系の違い

まずは、3つのグループの違いを簡単に整理しておきましょう。

IV系・VV系・CV系の電線・ケーブルの代表例、絶縁体とシースの構造、施工方法の違いを比較した図解

また、EM-EEF/FはVVF、EM-CE/F・EM-CED/F・EM-CET/FはCV系に対応する環境配慮型のケーブルとして、この記事ではあわせて説明します。

特に重要なのが、

IV系=絶縁電線

VV系・CV系=ケーブル

という違いです。

IVなどは導体の外側に絶縁体がありますが、その外側を保護するシースがありません。

一方、VVF・VVR・CVなどは絶縁体のさらに外側にシースを持っています。

この構造の違いが、施工方法の違いにも関係しています。

IV・VVF・CVの導体・絶縁体・シースの構造と、電線管への収容、建物内での固定、ラック・地中管路への布設を比較した図解

IV系の代表的な施工方法

IV・HIV・EM-IE/Fなどは、基本的に

導体 → 絶縁体

という構造を持つ絶縁電線です。

VVFやCVのようなシースを持たないため、電線管・線ぴ・ダクトなどの配線方式と組み合わせて使用されます。

EM-IE/Fの許容電流資料でも、金属管・合成樹脂管・可とう管・金属線ぴ・合成樹脂線ぴ・フロアダクト・金属ダクト・セルラダクトなどが対象として示されています。

IV系電線を電線管・線ぴ・ダクトに収める施工方法と、管内の電線数が増えると熱がこもりやすくなり許容電流の補正が必要になることを示した図解

電線管

IV系で代表的なのが、電線管の中に電線を通す施工です。

例えば、「金属管」「合成樹脂管」「可とう電線管」などがあります。

イメージとしては、

IV・HIV・EM-IE/F

↓

電線管の中に通す

↓

電線を外部から保護する

という施工です。

IV系はシースを持たないため、

絶縁体 → 電気的に絶縁する

電線管 → 電線を機械的に保護する

と役割を分けて考えると理解しやすくなります。

線ぴ

線ぴも、電線を収めて保護するために使用されます。

代表的なものには、金属線ぴや合成樹脂線ぴなどがあります。

電線管を「筒」と考えるなら、線ぴは細長い溝やケースのようなものと考えるとイメージしやすいでしょう。

ダクト

多数の電線をまとめて収容する場合には、ダクトを使用することがあります。

例えば、「金属ダクト」「フロアダクト」「セルラダクト」などがあります。

電線管よりも大きな空間に複数の電線を収容できるのが特徴です。

IV系では「何本収めるか」が重要

IV系の許容電流を考える場合は、施工方法だけでなく、同じ管・線ぴ・ダクトの中に何本の電線を収めるかも重要です。

EM-IE/Fの資料では、同一の管・線ぴ・ダクト内に収める電線数について、

3本以下 → 4本 → 5~6本 → 7~15本 → 16~40本 → 41~60本 → 61本以上

といった区分で許容電流が示されています。

なぜ本数によって許容電流が変わるのでしょうか。

理由は熱です。

電線Aが発熱

+

電線Bが発熱

+

電線Cが発熱

↓

管内に熱がこもりやすくなる

↓

電線の温度が上昇しやすくなる

↓

許容電流を小さくする必要がある

という関係になります。

そのためIV系では、

電線の種類・サイズ + 管などに収める電線数

まで確認することが重要です。

IVの許容電流を確認する

VV系の代表的な施工方法

VV系には、代表的なものとしてVVFとVVRがあります。

VVFは平形、VVRは丸形ですが、どちらも基本的には

導体 → 絶縁体 → シース

という構造を持つケーブルです。

また、VVFに対応する環境配慮型ケーブルとしてEM-EEF/Fなどがあります。

IV系との大きな違いは、ケーブル自体がシースを持っていることです。

そのため、IV系のように電線管などに収めることを前提とせず、ケーブルとしてさまざまな方法で施工できます。

VVFケーブルの天井裏・壁内・床下への配線、ステップルによる造営材への固定、保護管に収める施工方法を示した図解

建物内への配線

VVFは住宅や小規模店舗などの屋内配線で広く使用されます。

例えば、「天井裏」「壁内」「床下」などに配線し、照明・コンセント・エアコンなどの回路に使用されます。

現場で「ころがし配線」と呼ばれるような施工も、このようなVVFの使用場面で見られます。

造営材などへの固定

VVFはステップルなどを使用して、造営材などに沿わせて固定する施工もあります。

VVFの場合、2心・3心などの線心が一つのシースに収められています。

そのため、

IVを1本ずつ施工する

のとは異なり、

複数の線心をまとめたケーブルとして施工できる

ことが特徴です。

電線管などに収める場合

VV系ケーブルを保護する目的などで、管に収める施工もあります。

ただし、IV系の管内配線とは考え方が少し異なります。

IVの場合は、

シースなしの絶縁電線

+

電線管などによる保護

という組み合わせです。

VVF・VVRの場合は、

すでにシースを持っているケーブル

+

必要に応じて管などによる保護

という違いがあります。

VV系の施工方法と許容電流

VV系について注意したいのが、施工方法と許容電流の関係です。

住宅や店舗などの一般的な屋内配線では、内線規程などのVVケーブルとしての許容電流を確認することがあります。

一方、VV系ケーブルの熱的な条件を詳しく検討する資料では、「気中・暗きょ布設」「電線管内布設」「直埋布設」「地中管路布設」など、布設条件を区別して許容電流が示される場合があります。

そのため、「VVFはどのように施工しても許容電流がすべて同じ」と考えるのは適切ではありません。

ただし、住宅などで一般的に使用するVVFの施工方法と、VV系ケーブル全体について地中布設まで含めて熱的に検討する場合では、分けて考えた方が理解しやすいでしょう。

VV系の許容電流を確認する

CV系の代表的な施工方法

CV系には、「CV」「CVD」「CVT」などがあります。

また、それぞれに対応する環境配慮型ケーブルとして、

EM-CE/F・EM-CED/F・EM-CET/F

などがあります。

CV系は架橋ポリエチレンを絶縁体に使用した電力ケーブルで、幹線や設備電源などで広く使用されています。

CV系では、ケーブルをどのような環境・状態で布設するかが許容電流を考えるうえで特に重要です。

600V CVのメーカー技術資料でも、気中・暗きょ布設、直埋布設、管路布設などに分けて許容電流が示されています。

CV系ケーブルの気中布設・暗きょ布設・電線管内布設・直埋布設・管路布設の違いを断面イラストで比較した図解

気中布設

気中布設とは、ケーブルを地中などに埋めず、空気中に布設する方法です。

例えば、建物や工場などでケーブルラックにCV・CVTを布設する施工をイメージすると分かりやすいでしょう。

周囲の空気へ熱を放出できるため、管内や地中とは放熱条件が異なります。

ただし、ケーブルラックに多数のケーブルを並べれば、ケーブル同士が互いに熱の影響を受けます。

そのため、条数・間隔・配列なども許容電流を考えるうえで重要になります。

暗きょ布設

暗きょは、地中などに設けられたケーブル用の空間・通路にケーブルを布設する方法です。

CV系の許容電流資料では、「気中・暗きょ布設」としてまとめて示されることがあります。

電線管内布設

CVやCVTなどを電線管に収めて施工する場合もあります。

管の中にケーブルを収めると、気中にそのまま布設する場合とは熱の逃げ方が変わります。

そのため、同じCV・同じ導体サイズであっても、適用する布設条件によって許容電流が異なる場合があります。

直埋布設

直埋布設とは、ケーブルを地中へ直接埋設する方法です。

CV系の許容電流資料でも、独立した布設条件として扱われています。

地中では空気中とは熱の逃げ方が異なります。

そのため、地中温度や土壌の熱抵抗などの条件が許容電流に関係します。

管路布設

管路布設とは、地中などに設けた管路の中へケーブルを通す施工方法です。

イメージとしては、

地中に管路を設置

↓

管路の中へCV・CVTなどを引き込む

という施工です。

メーカーの600V CV許容電流資料でも、管路布設は気中・暗きょ布設や直埋布設とは別の条件として許容電流が示されています。

CV系の許容電流を確認する

IV系・VV系・CV系の施工方法を比較

ここまでの違いをまとめると、次のようになります。

IV系・VV系・CV系の代表的な電線・ケーブルと施工・布設方法、許容電流を確認する際の電線数・心数・条数・配列・周囲温度などを比較した図解

大まかなイメージとして覚えるなら、

IV系

→ 絶縁電線を「何に収めるか」「何本収めるか」

VV系

→ シースを持つケーブルを「建物内などでどのように配線するか」

CV系

→ 電力ケーブルを「どのような環境・布設条件で敷設するか」

という違いで整理すると分かりやすくなります。

なぜ施工方法によって許容電流が変わるのか?

IV系・VV系・CV系で施工方法は異なりますが、許容電流に影響する根本的な理由は共通しています。

それが「熱の逃げやすさ」です。

電線・ケーブルに電流が流れると、導体の電気抵抗によって熱が発生します。

例えば、「周囲に空間があり、熱を逃がしやすい施工」と、「管の中などに複数の電線・ケーブルがあり、熱がこもりやすい施工」では、同じ電流を流しても温度上昇の仕方が変わります。

基本的には、

熱が逃げやすい施工

↓

温度が上昇しにくい

↓

許容電流を確保しやすい

一方、

熱が逃げにくい施工

↓

温度が上昇しやすい

↓

許容電流を小さくする必要がある

という関係です。

ただし、「気中なら必ず許容電流が大きい」「地中なら必ず小さい」と単純に判断することはできません。

地中では土壌への放熱がありますし、気中でもケーブルを密集させれば放熱しにくくなります。

実際の許容電流は、対象となる電線・ケーブルの種類、布設条件、周囲温度、電線数、条数、配列、土壌条件などを確認して判断します。

許容電流を確認する

ケーブルの間隔による熱の逃げやすさと許容電流の関係、および電線の種類・施工方法・施工条件から許容電流を確認する手順を示した図解

施工方法を見るときは「電線の種類」から考える

施工方法を確認するときは、最初から「管内」「気中」「直埋」などを選ぶのではなく、まず使用する電線・ケーブルの種類を確認すると整理しやすくなります。

例えばIVなら、

IV

↓

絶縁電線

↓

管・線ぴ・ダクトなど

↓

収容する電線数を確認

VVFなら、

VVF

↓

シースを持つVVケーブル

↓

建物内配線・固定・管内など

↓

適用する許容電流条件を確認

CVTなら、

CVT

↓

電力ケーブル

↓

気中・暗きょ・管路など

↓

条数・配列・周囲温度などを確認

という流れです。

このように、「電線・ケーブルの種類 → 施工方法 → 施工条件 → 許容電流」の順番で考えると、許容電流表も理解しやすくなります。

まとめ

IV系・VV系・CV系では、構造や用途が異なるため、代表的な施工方法にも違いがあります。

IV・HIV・EM-IE/FなどのIV系はシースを持たない絶縁電線なので、管・線ぴ・ダクトなどに収める施工と、その中に収める電線数が重要になります。

VVF・VVRなどのVV系はシースを持つケーブルなので、住宅や店舗などの建物内配線をはじめ、固定や管内などさまざまな施工があります。VV系ケーブルについて詳しく許容電流を検討する場合には、布設条件も確認する必要があります。

CV・CVD・CVTなどのCV系では、気中・暗きょ・管内・直埋・管路などの布設条件があり、さらに条数や配列、周囲温度なども許容電流に関係します。

つまり、許容電流を調べるときは、

「何sqの電線だから何A」

だけで判断するのではなく、

「どの電線・ケーブルを、どのような方法・条件で施工するのか」

まで確認することが重要です。

実際の設計・施工では、対象となる電線・ケーブルや施工条件に応じて、最新の内線規程、JIS・JCS、メーカー技術資料などを確認してください。

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