用語・基礎の解説

集合住宅の幹線設計に関する専門用語40選|各戸容量・需要率・ブレーカー容量・許容電流などを解説

最終更新: 2026-10-28

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マンションやアパートなどの集合住宅の電気設備設計では、「各戸容量」「需要率」「負荷容量」「ブレーカー容量」「幹線」「許容電流」など、さまざまな専門用語が使われます。

これらの用語は、集合住宅全体で必要となる電力を把握し、適切なブレーカーや幹線サイズを選定するために重要です。

また、一般住宅と全電化住宅では電気の使用状況が異なり、住宅部分と共用部分でも負荷の計算方法が異なる場合があります。

この記事では、集合住宅の幹線設計で使用される専門用語40項目を、一問一答形式で簡潔に解説します。

ELE-CALの集合住宅幹線設計ツールで使用する用語を中心に、計算方法や設計条件を理解するための関連用語もまとめています。

ELE-CALの集合住宅幹線設計ツール

1. 集合住宅・住宅タイプに関する基本用語

Q1. 集合住宅とは?

一つの建物に複数の住戸が設けられている住宅のことです。

マンションやアパートなどが該当し、各住戸に電気を供給するための幹線や配電設備が必要になります。

Q2. 住戸とは?

集合住宅の中で、独立した生活を行うために設けられた一つの住宅区画のことです。

例えば、10部屋のマンションで各部屋が独立した住宅となっている場合、10住戸と数えます。

Q3. 住宅タイプとは?

電気やガスなど、住宅で使用するエネルギーの種類による分類です。例えば、電気とガスを併用する「一般住宅」や、主な設備を電気で動かす「全電化住宅」があります。

Q4. 一般住宅とは?

電気とガスなどを併用する住宅のことです。

例えば、給湯や調理にガスを使用し、照明やエアコンなどに電気を使用する住宅が該当します。

Q5. 全電化住宅(オール電化住宅)とは?

調理や給湯など、住宅内の主要な設備を電気でまかなう住宅のことです。

IHクッキングヒーターや電気給湯設備などを使用するため、一般住宅とは電力の使用特性が異なります。

Q6. 全電化23時とは?

電気給湯設備などを夜23時から使用することを想定した、全電化住宅の計算上の区分です。電気を使用する時間帯を考慮して、必要な電気容量を計算します。

Q7. 全電化マイコンとは?

電気給湯設備などの運転時間を自動で調整する仕組みに対応した、全電化住宅の区分です。複数の機器が同時に動かないよう調整し、電気の使用が一度に集中することを抑えます。

2. 各戸容量・戸数・配電方式に関する用語

Q8. 各戸容量(A)とは?

マンションやアパートの各住戸に設定する電気の容量です。

例えば、各戸容量40A(アンペア)なら、1住戸あたり40Aとして電気の使用量を計算します。

Q9. 契約容量とは?

電力会社との契約で設定される、使用可能な電気の容量を表すものです。

A(アンペア)やkVA(キロボルトアンペア)などで表され、契約方式によって表示方法が異なります。

Q10. 戸数とは?

集合住宅で幹線に接続される住戸の数です。

例えば、各戸容量40Aの住戸が10戸接続される場合、戸数は10戸として計算します。

Q11. 配電方式とは?

建物や設備に電気を送るための、電線の本数やつなぎ方のことです。代表的な方式に「単相2線式」「単相3線式」「三相3線式」があります。

Q12. 単相2線式とは?

2本の電線で単相交流を供給する方式です。

一般的には100Vの照明やコンセントなど、小規模な負荷への電力供給に使用されます。

Q13. 単相3線式とは?

3本の電線を使用し、100Vと200Vの両方を供給できる方式です。

集合住宅の各住戸への電力供給などに広く使用されています。

Q14. 三相3線式とは?

3本の電線で三相交流を供給する方式です。

主にエレベーターやポンプなど、モーターを使用する設備への電力供給に利用されます。

Q15. 定格電圧とは?

電気機器や設備が正常に動くように決められた電圧のことです。

例えば、定格電圧が100Vの機器は、基本的に100Vの電源で使用します。

Q16. 100/200Vとは?

単相3線式で使用される電圧の表記です。

中性線と各電圧線の間では100V、2本の電圧線の間では200Vを利用できます。

3. 共用部・負荷容量に関する用語

Q17. 共用部とは?

集合住宅の入居者などが共同で使用する建物内の設備や場所のことです。

共用廊下、エントランス、階段、エレベーター、給水ポンプなどが該当します。

Q18. 共用部負荷とは?

集合住宅の共用部分で使用される電気設備の負荷です。

共用灯、エレベーター、給水ポンプ、換気設備などが該当し、住宅部分とは分けて負荷計算を行います。

Q19. 共用灯とは?

共用廊下や階段、エントランスなどに設置される照明設備です。

集合住宅の共用部負荷として、その消費電力や設備容量を考慮します。

Q20. ポンプ負荷とは?

建物の給水ポンプや排水ポンプを動かすために必要な電気のことです。ポンプの大きさや動かし方によって、必要な電気の量が変わります。

Q21. エレベーター負荷とは?

エレベーターを動かすために必要な電気のことです。動き始めるときには大きな電流が流れることがあるため、その点も考慮して計算します。

Q22. 負荷とは?

電気を消費する機器や設備のことです。

照明、コンセントに接続する機器、エアコン、ポンプ、エレベーターなどが負荷に該当します。

Q23. 負荷容量とは?

電気機器や設備が必要とする電力の大きさです。

W(ワット)やVA(ボルトアンペア)などの単位で表し、幹線やブレーカーの容量を決めるための基準になります。

Q24. 負荷容量合計とは?

計算対象となる複数の電気設備や住戸の負荷容量を合計した値です。

例えば、1住戸の負荷容量が8kVAで10戸ある場合、需要率を考慮する前の負荷容量合計は80kVAになります。

4. 需要率・想定負荷・計算結果に関する用語

Q25. 需要率(%)とは?

設備全体の電気容量に対して、実際に同時に使用すると想定する電気の割合です。例えば、10台のエアコンがあっても、すべてが同時に最大の電力を使うとは限りません。このような使用状況を考慮するための割合です。

Q26. 住宅用需要率とは?

集合住宅の各住戸で、同時に使用される電気の割合です。すべての住戸が同時に最大容量の電気を使うとは限らないため、戸数や住宅タイプなどを考慮して設定します。

Q27. 共用部の需要率とは?

共用部分の電気設備について、設備容量に対する最大需要電力の割合を表すものです。

集合住宅の住宅用需要率とは別に設定し、設備の使用状況や運転条件に応じて検討します。

Q28. 住宅用需要負荷とは?

集合住宅の住宅部分で、同時に使用されると想定する電気の量です。例えば、電気容量の合計が80kWで需要率が70%なら、住宅用需要負荷は56kWになります。

Q29. 共用部需要負荷とは?

廊下の照明やエレベーター、ポンプなど、共用設備で同時に使用されると想定する電気の量です。設備ごとの使用状況を考慮して計算します。

Q30. 想定負荷とは?

実際の電気の使われ方を考慮して、必要になると予測した電気の量です。集合住宅では、住戸数や各戸容量、共用設備などをもとに計算します。

Q31. 力率とは?

電気設備に供給される電力のうち、実際に仕事に使われる電力の割合です。例えば、力率が80%(又は0.8)なら、供給される電力の大きさに対して、実際に仕事に使われる電力が80%に相当します。

Q32. 計算値とは?

入力した条件や計算式から求められた数値です。

例えば、負荷容量や電圧から算出した電流値などが該当します。実際の機器や電線の選定では、計算値に加えて規格や設計条件を確認します。

5. ブレーカー・幹線・許容電流に関する用語

Q33. ブレーカーとは?

過電流や短絡などが発生した場合に、回路を遮断する保護装置です。

電線や設備を危険な電流から保護するために使用されます。

Q34. ブレーカー容量(A)とは?

ブレーカーが対応する電流の大きさを示す数値です。例えば、100Aのブレーカーは100Aを基準として設計されており、大きな電流が流れ続けると電気を遮断します。

Q35. 幹線とは?

建物内の各住戸や設備に、まとまった電気を送るための主要な電線です。水道管に例えると、各部屋へ水を分ける前の太い水道管のような役割があります。

Q36. 幹線サイズとは?

幹線に使用する電線の太さを示すものです。「sq(スケア)」という単位で表し、流れる電流の大きさなどに応じて選びます。

Q37. sq(スケア)とは?

電線の中にある、電気を流す金属部分の太さを表す単位です。1sqは断面積1mm²を意味し、数値が大きいほど太い電線になります。

Q38. 許容電流(A)とは?

電線に安全に流すことができる電流の大きさです。電線は電気が流れると熱を持つため、電線の種類や設置場所、周囲の温度によって安全に流せる電流が変わります。

Q39. 布設条件とは?

電線やケーブルを設置する場所や方法のことです。例えば、管の中に通す場合と、空気に触れる場所に設置する場合では、熱の逃げやすさが異なり、安全に流せる電流も変わります。

Q40. 電圧降下とは?

電線を通って電気を送る途中で、電圧が低くなる現象です。長いホースでは水圧が下がることがあるように、電線も長くなるほど電圧が下がりやすくなります。

まとめ|集合住宅の幹線設計に必要な専門用語を理解しよう

集合住宅の幹線設計では、各戸容量や戸数、需要率、負荷容量などをもとに必要な電力を計算し、適切なブレーカーや幹線を選定します。

特に重要な用語を整理すると、以下のようになります。

  • 各戸容量:各住戸に設定する電気容量
  • 戸数:幹線に接続する住戸の数
  • 配電方式:電気を供給する電線の構成や方式
  • 住宅用需要率:住宅部分の最大需要電力を求めるための割合
  • 共用部負荷:共用灯やポンプ、エレベーターなどの電気負荷
  • 負荷容量合計:計算対象となる負荷容量の合計
  • 住宅用需要負荷:住宅部分に需要率を適用した負荷
  • ブレーカー容量:ブレーカーの定格電流
  • 幹線サイズ:幹線に使用する電線の導体断面積
  • 許容電流:電線が安全に流せる電流の大きさ
  • 電圧降下:送電途中で電圧が低下する現象

これらの用語を理解することで、集合住宅の負荷計算からブレーカー選定、幹線サイズの検討までの流れを把握しやすくなります。

集合住宅の幹線設計では、住宅タイプや各戸容量、住戸数だけでなく、共用部の負荷や設備の運転条件なども考慮することが重要です。

また、住宅部分に適用する需要率と、共用部の各設備に設定する需要率は分けて考える必要があります。

集合住宅の負荷容量や幹線サイズを計算する際は、以下のツールもご活用ください。

ELE-CAL|集合住宅幹線設計ツールはこちら

各戸容量・戸数・住宅タイプ・共用部負荷などを入力することで、集合住宅の負荷容量やブレーカー容量、幹線サイズの算定をサポートします。

※本記事は集合住宅の幹線設計に関する専門用語の意味を整理したものです。実際の設計では、内線規程、電気設備技術基準、電力会社の供給条件、使用する機器や電線の仕様などをご確認ください。

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