用語・基礎の解説
電線管の施工条件の違いとは?通常施工と屈曲が少ない場合の32%・48%を解説
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電気工事で電線管のサイズを選定する際には、電線の太さや本数だけでなく、配管の施工条件も考慮する必要があります。
電線管サイズの選定では、一般的な施工条件を想定した「通常施工の場合」と、「管の屈曲が少なく、電線の引き入れ及び引き替えが容易な場合」で、選定方法が異なることがあります。
特に、占積率32%と48%の違いは、電線管サイズを選定するうえで重要なポイントです。
ただし、通常施工なら必ず32%、屈曲が少なければ必ず48%というわけではありません。
この記事では、内線規程JEAC8001-2022などを参考に、占積率32%・48%の違いや特徴を整理し、施工条件に応じた電線管サイズの選定方法について解説します。
1.占積率32%と48%の違いとは?
占積率とは、電線管の内断面積に対して、収容する電線の断面積の合計が占める割合のことです。
電線管サイズの選定では、占積率32%と48%が使用される場合があります。
この2つの数値は、電線管内部に収容できる電線の割合を表しており、それぞれ適用する条件が異なります。

占積率32%の特徴
占積率32%は、電線管の内断面積に対して、電線の断面積の合計を32%以下とする考え方です。
通常施工で異なる太さの絶縁電線を同じ管内に収容する場合などに用いられる選定方法です。
電線管内部に比較的余裕を確保できることが特徴です。
占積率48%の特徴
占積率48%は、電線管の内断面積に対して、電線の断面積の合計を48%以下とする考え方です。
管の屈曲が少なく、電線の引き入れ及び引き替えが容易な場合など、一定の条件を満たす場合に用いられる選定方法です。
32%と比較すると電線管内部に収容できる電線の割合が大きくなるため、条件によっては、通常より小さい電線管を選定できる可能性があります。
2.占積率32%と48%を適用する際の注意点
占積率32%と48%は、施工条件に応じて使い分けることが重要です。
ただし、「通常施工=32%」「屈曲が少ない場合=48%」と単純に判断できるわけではありません。
通常施工でも、同じ太さの絶縁電線を収容する場合は、電線の太さや本数に応じた選定表を使用する方法があります。
また、48%を適用する場合には、管の屈曲が少ないことに加え、電線の引き入れ及び引き替えが容易であることなど、所定の条件を満たす必要があります。
電線の太さや本数によっては、専用の最大電線本数表などを使用する場合もあります。
そのため、占積率の数値だけで電線管サイズを決定せず、施工条件や該当する選定表を確認することが大切です。
3.通常施工と屈曲が少ない場合の施工条件の違い
電線管サイズの選定では、配管の曲がりや施工状況によって、適用できる選定方法が異なることがあります。
主な施工条件として、通常施工の場合と、管の屈曲が少なく電線の引き入れ・引き替えが容易な場合があります。

通常施工の場合
通常施工とは、一般的な配管工事の施工条件を想定したものです。
例えば、配管途中に曲がりがある場合や、ある程度の配管距離がある場合などが考えられます。
通常施工では、収容する電線の種類や太さ、本数などに応じて、選定表や占積率の基準を確認します。
屈曲が少なく、引き入れ・引き替えが容易な場合
管の屈曲が少なく、電線の引き入れ及び引き替えが容易な場合には、通常施工とは異なる選定方法を適用できる場合があります。
例えば、比較的短く直線的な配管や、曲がりが少なく通線作業が容易な配管などが考えられます。
ただし、曲がりが少ないことだけで判断するのではなく、将来的に電線を交換する際にも、無理なく引き替えができるかを考慮することが重要です。
配管が長い場合や、曲がりが一部分に集中している場合などは、通線作業が難しくなる可能性があるため、配管全体の施工状況を確認する必要があります。
4.電線管サイズの選定方法と判断の流れ
ここまで説明した占積率と施工条件の違いを踏まえて、電線管サイズの選定方法を整理します。
電線管サイズを選定する際には、まず使用する電線の種類や太さ、本数を確認し、その後に施工条件に合った選定方法を確認することが基本となります。
通常施工で同じ太さの絶縁電線を収容する場合
同じ太さの絶縁電線を収容する場合は、電線管サイズの選定表を使用する方法が一般的です。
例えば、IV電線2.0mmを3本収容する場合は、使用する電線管の種類に対応した選定表から、適切なサイズを確認します。
選定表には、電線の太さや本数に応じた電線管サイズが示されています。
そのため、同じ太さの絶縁電線を収容する通常施工では、占積率32%を一律に適用するのではなく、該当する選定表を確認することが基本となります。
通常施工で異なる太さの絶縁電線を収容する場合
異なる太さの絶縁電線を同じ電線管に収容する場合は、原則として占積率32%以下を基準とする選定方法があります。
例えば、IV電線2.0mmとIV電線5.5mm²など、異なる太さの絶縁電線を同じ管内に収容する場合が該当します。
この場合は、それぞれの電線の絶縁被覆を含めた断面積を考慮して、適切な電線管サイズを選定します。
屈曲が少なく、引き入れ・引き替えが容易な場合
管の屈曲が少なく、電線の引き入れ及び引き替えが容易な場合には、一定の条件を満たすことで、占積率48%以下を基準とした選定方法を適用できる場合があります。
ただし、電線の種類や太さ、本数などによっては、専用の最大電線本数表などを使用する場合もあります。
また、48%を適用できるかどうかは、配管の曲がりや距離、電線の交換のしやすさなど、実際の施工条件を踏まえて判断する必要があります。

このように、電線管サイズを選定する際は、占積率だけでなく、電線の条件と配管の施工条件の両方を確認することが重要です。
5.電線管サイズを選定する際の確認事項
電線管サイズを選定する際には、施工条件のほかにも確認しておきたいポイントがあります。
電線やケーブルの種類
IV電線などの絶縁電線と、CVケーブルやVVFケーブルなどでは、適用する選定方法が異なる場合があります。
そのため、絶縁電線用の選定表をすべてのケーブルにそのまま適用できるとは限りません。
使用する電線やケーブルの種類に応じた選定方法を確認する必要があります。
電線管の種類と選定表
金属管、合成樹脂管、二種金属製可とう電線管などでは、管の内径や使用する選定表が異なります。
例えば、ねじなし電線管(E管)と合成樹脂管(VE管)では、同じ呼び径でも実際の内径が異なる場合があります。
そのため、使用する電線管の種類に対応した選定表を確認することが重要です。
施工性と将来のメンテナンス
電線管サイズが選定基準を満たしていても、必ずしも施工しやすいとは限りません。
配管距離や曲がりの状態、将来的な電線の引き替えや増設などを考慮し、必要に応じて余裕のある電線管サイズを選定することも大切です。
また、電線の本数や布設条件によっては、許容電流の補正などを別途検討する必要があります。
6.まとめ|施工条件に応じた選定方法を確認しよう
電線管サイズの選定では、通常施工の場合と、管の屈曲が少なく電線の引き入れ及び引き替えが容易な場合とで、適用できる選定方法が異なることがあります。
占積率32%は、通常施工で異なる太さの絶縁電線を収容する場合などに用いられる基準です。
一方、占積率48%は、管の屈曲が少なく、電線の引き入れ及び引き替えが容易な場合など、一定の条件を満たす場合に適用できる選定方法です。
ただし、同じ太さの絶縁電線を収容する場合は、専用の選定表を使用する方法もあるため、占積率の数値だけで判断することはできません。
電線管サイズを適切に選定するためには、32%と48%の違いを理解したうえで、電線の種類や太さ、本数、施工条件に合った選定方法を確認することが重要です。
適切な電線管サイズを選ぶことで、施工性の向上だけでなく、電線の保護や将来のメンテナンスにもつながります。
※本記事は、内線規程JEAC8001-2022などを参考に、電線管の施工条件による選定方法の違いや、占積率32%・48%の基本的な考え方を紹介したものです。
内線規程や関連する法令・技術基準は、今後の改定によって内容や適用条件が変更される可能性があります。
実際に電線管サイズを選定する際には、本記事の内容だけで判断せず、必ずご自身でも最新版の内線規程や関連する法令・技術基準、メーカーの資料などを調べ、適用条件や選定方法を確認してください。
また、使用する電線や電線管の種類、施工環境によって適切な選定方法が異なる場合があるため、実際の設計・施工条件に応じて判断してください。






