用語・基礎の解説
幹線設計で使用する電気設備の専門用語40選|定格出力・定格入力・効率・力率・需要率などをわかりやすく解説
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- 1. 電気の基本用語|電圧・電流・電力・定格とは?
- Q1. 電圧(V)とは?
- Q2. 電流(A)とは?
- Q3. 電力(W)とは?
- Q4. 消費電力(W)とは?
- Q5. kW(キロワット)とは?
- Q6. 電力量(Wh・kWh)とは?
- Q7. 定格とは?
- Q8. 定格電圧とは?
- 2. 定格出力・定格入力・効率とは?意味と違いを解説
- Q9. 定格出力(kW)とは?
- Q10. 定格入力(kW)とは?
- Q11. 定格出力と定格入力の違いは?
- Q12. 効率(%)とは?
- Q13. 損失とは?
- Q14. 定格出力から入力電力を求めるには?
- 3. 力率・需要率とは?効率との違いや計算に必要な用語
- Q15. 力率(cosθ)とは?
- Q16. cosθ(コサインシータ)とは?
- Q17. 力率と効率の違いは?
- Q18. 有効電力(W)とは?
- Q19. 無効電力(var)とは?
- Q20. 皮相電力(VA)とは?
- Q21. 需要率(%)とは?
- Q22. 需要率はなぜ必要なの?
- Q23. 使用率(%)とは?
- 4. 負荷容量・想定負荷とは?電気設備の負荷計算に関する用語
- Q24. 負荷とは?
- Q25. 負荷容量とは?
- Q26. 想定負荷とは?
- Q27. 一般負荷とは?
- Q28. 加熱負荷とは?
- Q29. 電動機負荷とは?
- Q30. 溶接機負荷とは?
- Q31. 回路とは?
- Q32. 分岐回路とは?
- 5. 配電方式とは?単相2線式・単相3線式・三相3線式の違い
- Q33. 配電方式とは?
- Q34. 単相2線式とは?
- Q35. 単相3線式とは?
- Q36. 三相3線式とは?
- 6. ブレーカー容量・幹線・許容電流・電圧降下とは?
- Q37. ブレーカーとは?
- Q38. 主幹ブレーカーと分岐ブレーカーの違いは?
- Q39. ブレーカー容量(A)とは?
- Q40. 幹線・許容電流・電圧降下とは?
- まとめ|電気設備の専門用語を理解して負荷計算・ブレーカー選定に役立てよう
電気設備の設計や計算では、「定格出力」「定格入力」「効率」「力率」「需要率」など、さまざまな専門用語が使われます。
これらの用語は、電気機器の容量や消費電力を把握するだけでなく、ブレーカーの容量や電線の太さを選定する際にも重要です。
この記事では、電気設備の計算でよく使用される専門用語40項目を、一問一答形式で簡潔に解説します。
ELE-CALの幹線設計・ブレーカー選定ツールで使用する用語を中心に、関連する基礎知識もまとめています。
1. 電気の基本用語|電圧・電流・電力・定格とは?
Q1. 電圧(V)とは?
電気を流そうとする力の大きさです。
水道に例えると、水を押し出す「水圧」のようなものです。一般的な家庭や設備では、100Vや200Vなどが使用されています。
Q2. 電流(A)とは?
電線の中を流れる電気の大きさです。
水道に例えると、流れている「水の量」のようなものです。電流が大きいほど、電線に多くの電気が流れます。
Q3. 電力(W)とは?
電気が仕事をする速さを表すものです。
例えば、100Wの電球は、50Wの電球の2倍の電力を消費します。
Q4. 消費電力(W)とは?
電気機器が使用する電力のことです。
例えば、消費電力1,000Wの電子レンジは、その条件で動作しているときに1,000Wの電力を使用することを意味します。
Q5. kW(キロワット)とは?
電力を表す単位で、1kW=1,000Wです。
例えば、5.5kWは5,500Wを意味します。
Q6. 電力量(Wh・kWh)とは?
一定時間に使用した電気の量です。
例えば、1,000Wの機器を1時間使用すると、電力量は1kWhになります。
Q7. 定格とは?
電気機器が一番安全で調子よく動くように決められた基準値のことです
例えば、定格電圧100Vと表示されている機器は、基本的に100Vでの使用を想定して設計されています。
Q8. 定格電圧とは?
その機器が安全に働くためにあらかじめ設計された「指定の電圧」のことです
例えば、定格電圧200Vの機器は、原則として200Vの電源で使用します。
2. 定格出力・定格入力・効率とは?意味と違いを解説
Q9. 定格出力(kW)とは?
機器が決められた条件で外部に向かって出せる「本気のパワー」のことです。
例えばモーターの定格出力5.5kWなら、軸を回して外へ出せる機械的なパワーが5.5kWということです。
Q10. 定格入力(kW)とは?
機器が働くために電源側(コンセント)から吸い上げる電気の量のことです。
モーターなどは途中で熱などの無駄(損失)が出るため、外に出すパワー(出力)より吸い上げる電気(入力)の方が多くなります。
Q11. 定格出力と定格入力の違いは?
「外へ出すパワー(出力)」か「コンセントから吸い上げる電気(入力)」かの違いです。
例えば出力5kW・効率80%のモーターなら、5kWの出力を出すために6.25kWの電力を吸い上げる(入力する)必要があります。
Q12. 効率(%)とは?
吸い上げた電気のうち、どれだけ無駄なく本来の仕事に変えられたかという「コスパ(変換割合)」のことです。
効率90%なら、吸い上げた電気の90%をパワーに変えられています。
Q13. 損失とは?
吸い上げた電気のうち、熱や摩擦などで逃げてしまった「もったいない電気(無駄)」のことです。
Q14. 定格出力から入力電力を求めるには?
「定格出力 ÷ 効率」で計算できます。
例えば出力5.5kW・効率90%(0.9)の場合、5.5 ÷ 0.9 ≒ 6.11kW と求められます。
3. 力率・需要率とは?効率との違いや計算に必要な用語
Q15. 力率(cosθ)とは?
届いた電気のうち、実際に仕事に使われた電気の割合(電気の無駄のなさ)のことです。
ビールに例えると「注いだ全体の量のうち、泡を除いた飲み頃の液体(仕事をする部分)がどれくらいあるか」という割合を表します。
Q16. cosθ(コサインシータ)とは?
交流電気の波のズレ(位相差)から計算した「力率」のことです。
数値が「1(100%)」に近いほど、無駄のない高品質な電気利用であることを示します。
Q17. 力率と効率の違いは?
力率は「届いた電気の中身の質(仕事をする割合)」で、効率は「機器がエネルギーを仕事に変換できた割合」です。
どちらも割合ですが注目する場所が異なります。
Q18. 有効電力(W)とは?
送られてきた電気のうち、実際に熱や動かす力として「本当に仕事をした電気」のことです。ビールの例えで言う「液体部分」にあたります。
Q19. 無効電力(var)とは?
モーターの磁石を作るためなどに電源と機器の間を行き来している「直接仕事はしない電気」のことです。ビールの「泡」のように直接は仕事になりませんが、機械をスムーズに動かすために必要となります。
Q20. 皮相電力(VA)とは?
電圧と電流を単純に掛け合わせた「届いた電気全体の見た目の量」のことです。ビールの例えで言う「液体+泡のグラス全体の量」にあたります。
Q21. 需要率(%)とは?
建物内のすべての電気機器の合計容量に対して、実際に同時に使われる「一番使った時(ピーク時)」の割合のことです。
例えば、設備容量10kWに需要率80%を適用すると、想定する最大需要電力は8kWになります。
Q22. 需要率はなぜ必要なの?
「建物にある全ての電気製品を同時にスイッチONにすることはまずない」からです。現実的な最大使用量を想定して、無駄に太すぎない最適な電線や設備を選ぶために使います。
Q23. 使用率(%)とは?
決められた時間の中で「どれだけの時間、通電・使用していたか」の時間の割合のことです。例えば10分間のうち4分間使うなら使用率は40%となります。
※溶接機などでは、定められた運転周期に対する通電時間の割合を意味します。
4. 負荷容量・想定負荷とは?電気設備の負荷計算に関する用語
Q24. 負荷とは?
電気を消費する機器や設備全般(照明、エアコン、モーターなど)のことです。
Q25. 負荷容量とは?
電気機器や設備が必要とする電力の大きさです。
複数の機器をまとめて計算することで、建物全体に必要な電気の規模を把握できます。
Q26. 想定負荷とは?
建物や設備で、実際にどの程度の電気が使用されるかを想定した負荷です。
機器の容量だけでなく、必要に応じて需要率などを考慮して求めます。
Q27. 一般負荷とは?
部屋の照明やコンセントに繋ぐ一般的な家電製品などの負荷のことです。
負荷計算では、主に機器の消費電力を基準にします。
Q28. 加熱負荷とは?
電気を熱に変えて使用する機器の負荷です。
電気ヒーター、電気温水器、電熱調理機器などが代表例です。
Q29. 電動機負荷とは?
モーターを使用する機器の負荷です。
ポンプ、換気扇、送風機などが該当し、計算時には定格出力や効率などを考慮します。
Q30. 溶接機負荷とは?
電気溶接機を使うときに発生する負荷のことで、使用時間(使用率)などを考慮して計算します。
Q31. 回路とは?
電気が流れる道筋のことです。
例えば、照明用回路、コンセント用回路、エアコン専用回路などがあります。
Q32. 分岐回路とは?
分電盤などから分かれて、照明やコンセントなどに電気を供給する回路です。
一般住宅でも、部屋や用途ごとに複数の分岐回路が設けられています。
5. 配電方式とは?単相2線式・単相3線式・三相3線式の違い
Q33. 配電方式とは?
電気をどのような電線の構成で供給するかを表す方式です。
代表的なものに、単相2線式・単相3線式・三相3線式があります。
Q34. 単相2線式とは?
2本の電線を使って電気を供給する方式です。
一般的に100Vの小規模な設備などで使用されます。
Q35. 単相3線式とは?
3本の電線を使い、100Vと200Vの両方を利用できる方式です。
一般住宅で広く採用されている配電方式です。
Q36. 三相3線式とは?
3本の電線を使って三相交流を供給する方式です。
主に業務用エアコンや大型モーターなどで使用されます。
6. ブレーカー容量・幹線・許容電流・電圧降下とは?
Q37. ブレーカーとは?
電気の流れすぎやショートなどが発生したときに、回路を遮断する保護装置です。
電線や設備を危険な過電流から守る役割があります。
Q38. 主幹ブレーカーと分岐ブレーカーの違いは?
主幹ブレーカーは「建物・部屋全体をまとめて守る親分」、分岐ブレーカーは「エアコン用やコンセント用など個別のルートを守る子分」という役割の違いです。
Q39. ブレーカー容量(A)とは?
ブレーカーが安全に電気を通せる基準となる電流(定格電流)の大きさのことです。
Q40. 幹線・許容電流・電圧降下とは?
幹線: 建物全体に大量の電気を運ぶ「メインの大通り(太い配線)」
許容電流: その配線が熱で焼け切れずに安全に流せる「電気の定員制限(上限値)」
電圧降下: 配線が長くなると途中の抵抗で押し出す勢いが弱まる「電気のスピードダウン現象」
幹線を選ぶときは、必要な電流を安全に流せることに加え、電圧降下が適切な範囲に収まることも確認します。
まとめ|電気設備の専門用語を理解して負荷計算・ブレーカー選定に役立てよう
電気設備の計算では、定格出力・定格入力・効率・力率・需要率など、それぞれの用語の意味を正しく理解することが重要です。
特に混同しやすい用語を整理すると、以下のようになります。
- 定格出力:機器が外部へ取り出せる出力
- 定格入力:機器が電源から取り込む電力
- 効率:入力のうち、目的の出力に変換できた割合
- 力率:皮相電力に対する有効電力の割合
- 需要率:設備容量に対する最大需要電力の割合
- 負荷容量:設備に必要な電力の大きさ
- ブレーカー容量:ブレーカーの定格電流
- 許容電流:電線に安全に流せる電流の大きさ
これらの用語を把握しておくことで、電気機器の仕様確認から負荷計算、ブレーカー選定、幹線選定までの流れを理解しやすくなります。
また、電気設備の設計では、単に計算結果を求めるだけでなく、その数値が何を意味しているのかを理解することも大切です。
電気設備の計算やブレーカー・幹線の選定を行う際は、以下のツールもご活用ください。
必要な項目を入力することで、負荷容量の計算やブレーカー・幹線の選定をサポートします。
※本記事は電気設備に関する専門用語の基礎知識を整理したものです。実際の電気設備設計では、適用される法令・規程・機器仕様・施工条件などをご確認ください。






